立川談春独演会 イイノホール
今日は割れんばかりの拍手で始まった談春師の独演会へ行ってきました。
私は談春師が大好きです。が、なぜあそこまでオールオッケーな拍手なのかがよく分からない。いくら偽悪を装っても、替り目、妾馬、紺屋高尾があまりに好印象だからだろうか?私と談春師にはなんの接点もないのに、胡っ恥ずかしい気がするのはなぜ。師匠自ら言ってました。確かにブームの恩恵を自分が一人で受けている状態だけど、行きつくとトンデモナイので、自分はなにもしないと。さすが師匠は冷静です。
次に藤原紀香と陣内智則の話題なり、女と男で感想がまるで違うということを師匠の周りにいる女性ファンを例えに解説。女性はやはりあの結婚は羨ましいらしい。器量があって稼ぎがあって、最後にほしいのは格下でも心安らぐ男性だと。駄目ならやめちゃえば良いんだからと。ここまで聞いて、今日は厩火事をやるつもりだなとなんとなく思いました。その点、男は誰も羨ましがらないらしい。あんな美人な有名人が女房じゃ家でも気が抜けず大変だからだそう。私は男の人の意見には素直に納得だけど、不幸かな、私の身分は久蔵クラスなので高尾の気持にはなれないのです。友人と話して分かったのは、紺屋高尾での私の立場は、「俺たちは小出しにチョコチョコ行くから駄目なんだ。」というその他A。
女がしっかりして男がだらしがないオチがついたところでやはり厩火事。いじらしくかしましいお咲さんが喋りまくります。客へのサービスか止められないのか、普段より4割は多く喋ってましたねお咲さん。旦那の八五郎が仕事の忙しい女房に甘えて芋を煮てくれとせがんだ事から喧嘩になり、仲人役の兄貴のところへお咲さんが愚痴りに行きます。このエピソードだと、確かに男が我儘でお咲は悪くないかのようであります。強いて言えば口が先に出すぎることでしょう。
先日聴いた花禄師の厩火事と比べると、お咲の扱いが随分違う事に気付きます。花禄師では、夕飯の支度を旦那に言いつける明らかにキャリアウーマンで、その高慢さを兄貴にたしなめられます。かといって、旦那は確かに女房の金で遊んでいるわけで、どっちにも非がある夫婦となっていました。あくまで女は可愛く男が馬鹿より、私は内容では花禄師の方が深いと思うのですが。さりとて、随所に散りばめたコミカルな場面は楽しく流石談春、でありました。紺屋高尾から厩火事へ夫婦が移っていくということを見抜いたばくち打ちの先見の明に感服いたしました。
ちょっと長い厩火事の後は、トーンが暗いごぼう色の着物で登場。松岡大臣は悪者だろうが気が小さいというまくらかららくだへ。もしかしての勘が当たり、焼き場にらくだを持っていく最後までやってくれました。時計を見ながら落語を聴いていたらそういう時間配分をしているように見えたのですがそのとおりだったようです。「火屋」が死語なのでオチも変えていました。前回のにぎわい座でのらくだより、更に丁目の半次が泣き上戸になってしまいました。会場は受けていましたが、私は志らく狙ってるの?と余計な事を思っていました。半次の笑った顔が一瞬でマジ顔になる瞬間が怖いやら楽しいやら。
会場の師に対する熱い期待のせいかやたらに汗を拭う談春師の、破綻ちょっと手前なハイテンションな独演会でした。閉幕の拍手は始めよりさらに高く響いて終わりました。談春ブームはまだまだ続きそうです。
師匠発言覚書
世にはハンカチ王子だハニカミ王子だいるけど、落語界も作らなきゃ駄目だ。「マザコン王子」 谷中に住んでるけど良い家族ですよ、付き合わなければ。
松岡大臣は後援会の皆様にまで遺書を書いて偉いですね。私なら「お客様へ」なんて絶対書かない。
立川談春 厩火事
仲入り
立川談春 らくだ
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