第十七回 上方落語会 にぎわい座
今回は大好きな笑福亭福笑師匠が来てくれるというので、喜び勇んでいってきました。やっぱり福笑師匠は良い!
いらち俥 桂ちょうば
ひとり静 桂三若
手水廻し 笑福亭岐代松
千早ふる 笑福亭福笑
中入り
立体落語西遊記 笑福亭 鶴笑
もう一つの日本 笑福亭 福笑
今回のメンバーは福笑師匠以外は一切知らない人々で、とても新鮮な気持ちで見られました。
まず、たぶんざこば師匠のお弟子さんとおもいますが、東京で言うところの反対俥を話し半ばぐらいまでをきっちりやってくれました。東京のへたれ前座よりずっとしっかりしていますから、お客さんも結構笑って高座がしっかりあったまりました。
お次は、日に焼けたバター顔の人が登場しました。そして自ら「寝起きのジュリー」と自己紹介。確かにそうかも。名前からすると三枝師匠の弟子でしょうか?早口に、バイクで全国を回りながら落語会を開くという活動をして、いく先々で起こったおかしいエピソードを紹介してくれました。だからそんなに色黒なのだな。
そして落語は、東京から大阪に転勤になったある社員と友達になりたがる大阪人が、東京と大阪の違いを面白おかしく話していくという創作落語でした。東京に比べて大阪のおばちゃんは・・・というネタは、いくらでも思いつく上に必ず受けるというので上方の人がこちらに来ると必ず誰かがやりますね。またかと思いつつも爆笑。とても分かりやすくぼけているのに突っ込んでくれない東京人と喋ることへの大阪人の戸惑いが可笑しかったです。しかしそんなにぼけたり突っ込んだりする大阪人て実はいないと思いますがね。
続きましては、六代目松鶴師匠のお弟子さんで。あまり芸人に見えない面差しの人でした。緊張していたのでしょうか、最初のほうに何度か詰まってしまい、見ているほうがどきどきしました。手水廻しはストーリー的に分かりやすく面白いので、今回もそれなりに受けていました。
中トリでやっと福笑師匠の登場。相変わらず、見台にひじを突きながら前のめりにお客に精力的に語りかけてくるスタイルは健在で、私はこういうところからしてとても好きなんです。しかし、その熱意に引き込まれ、まるで自分に話しかけてくれていると勘違いしていちいち声を出して受け答えするおばちゃんが後ろに二人いて煩い事。
まずは古典の千早ふる。本当は意味なんか知らないのに、知ったかぶりをする隠居がこの話の主人公ですが、今回の隠居は「自分の脳みそで考えんかい!」と相手にはえらそうにいうくせに、「これこれこういう意味ですか?」と自分の意見を言ってみると1,2秒考えたふりをして「・・・・・そや」と相手の意見を丸ごといただいちゃうというちゃっかり隠居でした。
「竜田川というのはどんな意味やと思う?」
「分からんから聞きに来た」
「少しは自分の頭で考えんかい!!」
「・・・・川の名前でっか?」
「・・・・・そや」 (笑)
何でもいただいちゃうので、「あんたほんまは知らんのやろ」すぐ突っ込まれ、しまいには「お前が教えてくれいうから付き合ってやっとんのになんじゃその言い草は!帰れこら!いね!」と逆切れ。(笑)途中河内音頭なども入ったり、オリジナリティあふれる千早ふるでした。
福笑さんは一味違った創作落語の名手として有名ですが、古典にもしっかり福笑的解釈を取り込んでいるので、そういうスタイルが確立している立川流に合い通じるものがある気がします。
そしてトリの一席は、日本に対して偏ったイメージしか入ってこない外国人からは、日本はこう見えているのじゃなかろうかというところを風刺した「もう一つの日本」という創作落語。商談で日本の大阪の会社に訪れたフランス人?が、「二ホンのことベンキョウシマシター」といろいろ話すのですが、それがことごとく違っていて腹立つのに、しかも日本はすぐ接待してくれると思い込んでいるから、商談はほぼ失敗なのにもかかわらずどこか連れて行けと譲らない。日本側の課長は「なめとんのかこのがきゃー!ほんま腹立つこの餓鬼!」と激切れ。(笑)この切れるという行為も、大阪弁で切れるとどこかしらユーモラスで楽しいことになるのが良い。勘違い外人とのちんぷんかんぷんか会話にはこれといったサゲもなく、時間いっぱいになったところで「お時間いっぱいなのでこのへんで」と幕が下りました。あまりこれといって深い考察はなかったですが、面白い話をちゃんと面白く聞かせてくれました。
福笑師匠の語り口は、まったくのフリースタイルに見せかけて実はしっかり構成や言葉の効果が計算されているという、実にクレバーで高度なもので、そこが最大の魅力です。今回もそれは充分堪能できました。特に古典においてそれの感慨が深かったです。
大銀座落語会では、ブラック師匠と談笑師匠の二人会より、福笑談笑ダブル笑いの会とか開いてほしいものです。これ、良いアイデアだと思うんですけど!!
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コメント
> 大銀座落語会では、ブラック師匠と談笑師匠の二人会より、福笑談笑ダブル笑いの会とか開いてほしいものです。これ、良いアイデアだと思うんですけど!!
談笑師匠は福笑師匠に酒席で絡まれたらしく、
あまり良い印象を持っていないと以前話しておられたので、
ちょっと難しいかもしれませんね~。
だいぶ時間が経ったので、
もう和解されていれば確かに実現して欲しい面白い企画ですが♪
談笑さんは落語は破天荒ですが、普段はとてもまともな人ですからねぇ。しかし福笑さんだってお酒さえ入らなければ良い人ですよ!だって私ごときに年賀状をくれる人だもの。
まあ、小朝師匠には思いつけない企画ですね・・・。
投稿 有賀亭 頑馬 | 2008年5月15日 (木) 19時12分