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聖蹟桜ヶ丘花火寄席 立川談春

 先日は、チャリティー寄席に行って来ました。今回の収益は聖蹟桜ヶ丘で行われる花火大会に寄付されるそうです。

 立川春太  たらちね

 立川こはる 真田小僧

 立川談春  棒だら

 中入り

 立川談春  へっつい幽霊
 

 開演前、落友の方がいつか談春一門会が見たいと言っていて、「談春一門会」という言葉の違和感に笑っていたら、なんとそのとおりになってしまった。

 春太さんのたらちねは、以前こはるちゃんがやったたらちねとお手本が違うようだった。武家先に奉公していたのではなく、親が漢学者だから言葉が丁寧だという設定で、生まれも京大津の産にして言っていた。師匠の談春とも違うので誰か他の人に教わったのだろうか。

 こはるちゃんの真田小僧は確か他でも聴いている。そのときより間がしっかり取れていると言うか、談春師の間をちゃんと再現できているので面白かった。首のかしげ具合や息継ぎの瞬間が師匠そっくり。これが血肉になって本人のものになっていくのが楽しみだ。

 安寿と厨子王みたいな兄弟弟子が終わって、いよいよ親玉の登場。「前座を二人続けてだしましたけど、別に嫌がらせじゃありません」(笑)

 「花火大会のためといわれて断る落語家はいない」とこの会に快く参加したことを話していたけれど「第一回目が白鳥というところで、大丈夫か?と思いました」(笑)

 花火のためだから落語も花火にちなんだ「たが屋」をやろうと思っていたらしいが、前回喬太郎師匠がやってしまっていたので出来なくなってしまったのですが、「調べたことは全部喋らないときがすまない」と、たが屋のまくらに使おうと思っていたらしい花火の歴史を語ってくれました。このごろはこのまくらがことのほか面白い。人に語るという技術と師匠の人柄が魅力的だからだろう。お客さんも思わず聞き入っていた。「そんなに真剣に聞く話じゃありませんよ?」とリラックスされながら、江戸っ子は花火好きという話から江戸っ子は侍が大嫌い、特に田舎侍が大嫌いという話題へうまーくシフトして「棒だら」へ入りました。

 談春師が鮫塚というぶっ飛び侍キャラを作り上げたことによって、師匠の十八番といえる爆笑噺に仕上がっているネタですが、今回も鮫塚様は大はしゃぎ。しかし、鮫塚様だけはしゃいでいてもこの話は面白くない。鮫塚さまについている芸者の合いの手が良い具合に抜けててどうにも楽しい。自分だけじゃ扱いきれないもんだから、妹芸者ミーちゃん、ハーちゃんを連れてきたのに「鮫塚様のお座敷はとても勉強になるから連れてきました」「ね?勉強になるでしょ?」と自分の負担を脇に回す台詞が私は大好き。それなのに勉強になるといわれて嬉しい鮫塚さまは「両脇の女、学べ」と胸を張るのも可笑しい。そして、この江戸で大きい顔をしている田舎侍にいらいらされっぱなしの江戸っ子二人のやり取りも実に生き生きとしている。
 いらいらして野次っているのに、鮫塚側の芸者が「鮫塚様、うけてますよ」とまた適当なことを言うもんだからますます盛り上がって、盛り上がれば盛り上がるほど江戸っ子はさらにいらいらしてしまうというこの展開がとてもリアルに伝わってくる気がして、楽しく見ごたえのある棒だらでした。

 中入り中、次の落語はいったいなんだろうと友人たちと予想。九州吹き戻しが良いとか、きっと不動坊だろうという意見が出ましたが、どれも違うんじゃないかと思っていました。かといって、じゃあ何をやるんだというとまったく思いつきませんでしたが。

 二席目のまくらで幽霊の話を始め「不動坊」?!なのかと思ったら、幽霊は足がないという展開に行ったところで「へっついか!!」そうだ、この話しがあったんだった・・・。去年の七月に市馬談春で聴いたっきりなので忘れてましたわ。

 談春師のへっつい幽霊は、基本はもちろん談志師匠ですから台詞回しやメロディの多くが談志師匠のへっついを髣髴とさせる格好良さが見所です。が、さらに主要登場人物二人がばくち好きで、語る落語家も博打好きということが上手く作用しているのが談春ならでは。へっついから出てきた大金を一晩ですっちゃって「ッダー!!!!月夜の晩ばかりじゃねえぞ!」と悔しがる様が「ここだけ妙にリアリティがある」と当人も苦笑するほど。「火付けるぞ!多摩川競艇!」と思わず言ってしまうあたりが笑えます。終盤、へっついのお金をめぐって幽霊とつぼ振りの勝負をするシーンでも博打好きならではの演出がさえます。まず丁半博打で勝負を付けようと、サイコロの振り具合を確かめる場面での談春師匠の目はそれ以前と違って醒めて笑ってない。相手に悟られないように自然にポーカーフェイスになってしまうんですね。(笑)そして、死んでからはしばらくサイコロを触っていない幽霊が「ああ、この感触!これ、これですよ!」と嬉しそうにサイコロを転がす様がなんとも言えず可笑しい。見てるほうとしてはあんたも好きねぇと苦笑せざるを得ない良いシーンです。

 談春師の落語の上手さを堪能できる上に、博打のシーンでは俄然はりきってしまう談春師のドキュメントも見れるという二倍美味しい一席でした。

 最後は会の主催者の方々や地元の市長も舞台に上がって花火大会の成功を祈願して三本締めで終わりました。

花火大会にふさわしいからっとさわやかで鮮やかな二席でした。

 

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コメント

まさか聖蹟桜ヶ丘でお見かけするとは思いませんでした(o^∀^o)去年の花火寄席では喬太郎師匠が3席やってくれまして“寿司屋水許伝”“たが屋”“死神”でございました(o^∀^o)

 その節はどうもです。喬太郎師匠のときは知ったのが後で行けませんでした。来年は誰を呼ぶんでしょうね?

 コメントを何度も頂申し訳ありませんでした。私が承認しないと公開されない仕組みになっているので、コメントが失敗しているわけではないのです。

投稿 金坊 | 2008年6月18日 (水) 22時47分

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