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ラッパ亭 柳家喬太郎独演会 紀伊国屋ホール

 昨日は、どうしても文七元結が見たくて行ってきました。 やりませんでした・・・・。


 開口一番 春風亭正太郎  「からぬけ」

        柳家喬太郎   「怪談牡丹灯篭 お札はがし」

        トーク

        柳家喬太郎   「ハワイの雪」 

 舞台はすでにセットが組んでありはどこかの安ホテルのロビーのようです。イパネマ・インというらしい。そのロビーの中心に高座がしつらえてあるという、まことに不思議な空間。
夜はラッパ屋という劇団が実際芝居をしていて、昼はそこを落語に使おうということらしい。

 まずは一瞬小朝に口調が似ている正太郎さん。小朝の上手い部分だけ吸収してね。

 続きまして、ホテルの階段を下りて登場してきた喬太郎師匠。まくらを聞いていると、どうも紀伊国屋の客はこの千葉のペンションのお客で、雨が降って海に出られず暇だから芸人でも呼ぼうかというので、呼ばれた芸人が喬太郎師匠という設定で話をしている。師匠は呼ばれた芸人を演じたまま、こんな時は怪談話とばかりに時季はずれな「お札はがし」を開始しました。

 師匠のお札はがしは、本当に暗がりから幽霊が浮かび上がってくるような、正当な昭和の怪奇映画の匂いがします。きっと好きなんだろう。登場人物はみなキャラが立っていて印象深いが、お露とお付の女中よねの会話が特に好きだ。若い娘と少しとうのたった女中の間柄が、声色の微妙な高低でくっきり表現されていて素晴らしい。ここの部分は本当に上手いと思う。

 幽霊のおよねが、札をはがしてほしいと友蔵を訪ねるシーンでは、女房のおみねに「これが出たんだよ!」と幽霊の手つきをしてみせると、それをみたおみねが「ピグモン?」「どうしてお前は我慢ができねぇんだ!」(笑)

 一席終わると、高座が後ろに下げられセットの一部としておいてあった籐の二人用ソファにこの会の主催者であり、劇団の主催者鈴木聡氏と喬太郎師匠が恥ずかしそうに並んで座ってトークタイム。小劇団と新作落語って絶対似てるという主催者の想いから喬太郎師匠が呼ばれたようです。確かに似ていると思う。

 主催者も、師匠がお札はがしをやった事にびっくりしていた。師匠は昼ごろ舞台のセットを見て、自分は芸がないからまともに古典をやってもセットに負けちゃうと思い、いっそ舞台に溶け込んじゃえと自ら一人芝居を打ってお札はがしをしたのだという。主催者はそれは謙遜でしょ~?!とさらに意外そうな声を出していました。師匠はどんなところでやっても本気を出せば関係ないって、周りの人はみんなそう思っているのに本人だけ無駄に卑下しているのでちょっと嫌になる。そのほか、新作を作る時は世間がどう思ってるかということは気にしないで、、自分の価値観で作っているという話をしていてそちらはなるほどと納得。だからこそ喬太郎の噺としていつまでも輝くのでしょう。ぜんざい公社なんてのは逆の発想で作っているからすぐ古臭くなるのでしょう。

 二席目は「常連さんにはいつもの噺(喬太郎談)」であるところのハワイの雪。椰子の木が植わってる夏のペンションで聴くにはふさわしいかもしれない噺。けど、ずっと思ってたのですがこのペンションの窓の後ろは本当に夏なのか?冬に客が来なくて閑古鳥が鳴いているペンションかもしれないじゃん。窓の外の風景は見えないのに夏だと一人で言い張っている喬太郎師匠の演出に?であります。

 と、文句を言いつつも、一席目同様やる気があるのかとても良い出来でした。個人的には、留吉の親父ギャグに「また始まったよこのばかじじい」と思っている孫の由美子の表情が大好きです。きっと当人も好きに違いない。

 今回は、落語は見慣れていないかもしれない芝居ファンに向けて、ごく分かりやすい落語二席でしたが、良い高座だったからそんな事は関係ないのでありました。


  

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