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喬太郎 談春 桃太郎 三人会 練馬文化センター 完成

 

やっと書きました。 見たすぐ後に書かなきゃこういうのはだめだめ君。


 開口一番 あったようななかったような

 昔昔亭桃太郎 「弥次郎」

 立川談春    「白井権八(鈴が森)」

 仲入り

 トークショー

 柳家喬太郎  「死神」

 

この会は、正直落語はそれほど重要ではない。(笑)それを十分分かっている桃太郎師匠は、またお得意の「落語協会は芸術協会を馬鹿にしている」発言から、じわじわと喬太郎師匠の首を絞めにかかる(笑)。自分が所属している団体についてあからさまに言っちゃって許される数少ない存在である桃太郎師匠はいつ見ても痛快であります。

「金のありがたみが分からない昇太」
「弟弟子に世話になっちゃだめ」
「みんな師匠が好きで入門するから、他の弟子はついでに付いてきただけの存在。師匠が死んだら一門はばらばら。円生のところはは生きてるときからばらばら(笑)」
「鰍沢とか(この会の前日鰍沢をかけていた)大ネタはよく出来ているから簡単だ」
等々、桃太郎節のほうが面白くて肝心の「弥次郎」はメタメタ(笑)。師匠本人が弥次郎みたいな人だからま、いっか。

お次は談春師。やっぱり「この会で一番聴きたいのは落語じゃない」(笑)
 落語はお得意の「白井権八」。鈴が森の手前、六郷の渡し?近くの桜茶屋で雲助に絡まれた白井権八が、短気な性分ゆえこめかみにジュンサイの様な血管をピクッと浮かばせ刀の鯉口を切ったところで「この短気がいかんのか」と、自分の過去を思い出し「座興じゃ座興じゃ。役者として通してくれ」と桜茶屋を後にする、地味ながら良い見せ場があるのですが、今回なぜか「この短気がいかんのか」という己のつぶやきの台詞がなかったです。たぶんとっさに抜けちゃったんだと思いますが、きっとこの後のトークに気持ちが行ってたのかも。

 いよいよ、待ちに待ったトークの時間。もう私服に着替えてフリーな桃太郎師匠に、何とか桃太郎師匠に食いつこうとしている談春師匠と、出来ることなら何にも喋らないで終わりたいと思っている喬太郎師匠。舞台に登場しただけでよく分かる。
 
 いろいろ楽しい話はあれど、「談春くんは、談志師匠にぜんぜん似てないね!」発言が意外で面白かった。談春師にとってもとても意外な発言だったようで「自分の頭の中にはずっと談志の白井権八が流れてて、落語やりながら、自分は出来の悪いコピーだと思ってたんですけど」と答えると、「いや、一門の人はよくなんかこう(談志の物まねでよくやるしぐさ)ゆうのよくするじゃん」(笑)そこかよ!!(笑)椅子からずり落ちそうなぐらいガクッとした談春師匠は喬太郎師匠に「喬ちゃん、芸のことじゃならしいよ!」(笑)

 桃太郎師匠の会のゲストのつもりで来たら、当人はさっさとやり逃げで自分がトリをとらなきゃならなくなって焦心している喬太郎師匠が、ぐったりしながらも「鰍沢は何を聴いて覚えたんですか」といかにもマニアっぽい質問をしたら、「志ん生」という返事にまたもや二人は椅子からずり落ちそうに。(笑)「普通は円生師匠とかのテープで覚えると思うんですけど」「だって、円生は長いじゃない。志ん生のは短いから良い」(笑)。これはとても納得した。だって、きっちりがっちりやってる志ん朝の大工調べより、せりふを半分近く抜いちゃってる志ん生の大工調べのほうが断然笑っちゃうし覚えてるのです。 

 まじめな話もします。芸は声が一番だと桃太郎師匠が言って、二人(喬・談)の声はとてもいいから、昔から大好きだったんだそう。「昔って、昔は会ってなかったじゃないですか」と談春師に突っ込まれるあたりは弥次郎みたいですが、声が一番なのも納得。声が良いから微妙なニュアンスの違いを出すことが出来てそれが感動を生むのですから。

談春評の後は喬太郎評もちゃんと言ってくれました。「喬太郎君は、さん喬さんの良い所だけ真似てるから良いね」。さん喬さんの落語には暗い所があるけど、喬太郎君は上手さと明るい所だけを真似ているという評に、そんな所を見ててくれてたんだと、びっくりしながらもちょっと嬉しそうな喬太郎師匠の顔が印象的でした。

普段言いたいことを言っているのにはこうしたしっかりとした評論の目線を持っているという裏づけがあるからだということがよく分かったトークでした。さすが師匠だ。

 
 最後、トリは喬太郎師匠だから、談春師と桃太郎師がなぜか空いてる最前列に座って見ようかと言い出し、「絶対やめて絶対やめてお願いだから絶対やめて!!」と訴える喬太郎師を無視して「今日はありがとうございました」とステージを去ろうとする桃太郎師匠にき「ええ?!!」(笑)今回も桃太郎師匠に振り回されっぱなしのキョンキョンなのでした。

 そして、ドキドキのトリは「死神」。喬太郎師匠の死神は、いかにも異界の存在風で大好きです。「お前、千両で命売ったんだ。それって高いのか?ふふ」と死神が話すシーンは、背景が金屏風であっても真っ暗に見えます。この人はやっぱり天才の部類の人なんだよなあ。
今回の死神のせりふは「アジャラカモクレン 鰍沢は簡単じゃないと思います」(笑)

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