見た落語が溜まりすぎて、いまさら全部事細かに書けません。
だから一言で書いてしまえ。今までのはナンだったんだろう。
「志らく百席」 にぎわい座
立川志らら 「壷算」 いつもの軽いのり。
立川志らく 「元犬」
落語はSFXをも表現できるのだ!
立川志らく 「おしの釣り」
師匠の落語はOKマークで時代をも超越するのだ!
立川志らく 「居残り佐平次」
佐平次の人物像が多くのフレーズを乱発することによってちょっとぶれ気味
「立川談春独演会」 にぎわい座
立川談春 世話情浮名横櫛 「木更津 上」
木更津を上下で切るとは!お富与三郎の出会いが出会う前の描写のほうがしっかりしているって?堅物の与三郎が何でお富に惹かれたのかという説明は?たくさん話したいまくらのために落語を短くしたのか?それとも話が作れなくてまくらを長くしたのか?
立川談春 「付き馬」
実に正体不明な踏み倒し男!料金を踏み倒すつもりの癖に、いちいちもっともらしい事を言うのがたまらなく可笑しい。「君、払っといて」
談志十時間の対談収録において、失礼極まりないディレクターを怒鳴りちらす師匠。
骨壷事件をかいつまんでと言いつつ、好きな話なのかフルバージョンで語った師匠。今回の骨壷に書いたメッセージは「狂気と冒険」芸人は誇張して、それを本当だと思い込むんですと、さりげなく自己弁護。
「中川家の寄席」 新宿末広亭
前回見た時はフリートーク寄りのネタだったけれど、今回はきっちり結婚式ネタと葬式ネタを決めてくれた。小さな体に大きな狂気をはらむ兄と、兄の狂気をコントロールする弟のコンビネーションはいつもスリリングだ。
ゲストはサンドウィッチマンの二人。実力と、余裕すら感じさせる素晴らしい漫才を見せてくれた。吉本の浮ついたノリに飽き飽きしている昨今、彼らの地に足の付いたきっちりした漫才はとても気持ちが良い。もちろん爆笑につぐ爆笑で、涙の後で顔がガビガビ。やっぱり漫才は良い。私の好きなダイノジもU字工事も地方から中央を冷静に見据えて頑張っているのだな。
国立演芸場3月上席
桃月庵白酒師と、柳家喬太郎、ロケット団以外は起きているのが辛かった。笑ったり泣いたりワクワクしに行くなら金も払おうが、寝に行くのに金は払えん。これは三ぼうですか?白酒師のネタは「つる」。隠居の、「このつるの話、どう?面白いだろ?いやー恥ずかしい。どう?面白かったら笑えよ?」という気持ちの笑いがたまらない。それにまったく気づかない八五郎も可笑しい。
「志らくのピン」 内幸町ホール
立川志ら乃 「だくだく」
壁に家具の絵を書くどころか、増築したつもりになってからくり扉の向こうに忍者がいたり女房子供まで増やしちゃって可笑しい。忍者の視線に固まる泥棒もばかばかしい。しかしもうちょっと激しくというのでなく、軽くやってくれたらいい。
立川志らく 「短命」
ご隠居がご飯を食べるシーンでもって短命の理由を説明しようとすると、ご飯にばかり集中してしまう八五郎に、「ご飯は忘れなさい!」しかしご飯のシーンなしでは説明できなくなり「ご飯復活!」
立川志らく 「黄金餅」
あれ、こんなにしんみり暗いだけの落語だっけ?師匠のテンションが異様に低いぞ。病気のせいかしら。死んだはずの西念が香典を握り締めているという不気味なシーンを挿入していたので、最後はそれが活きるのかと思ったらただ入れただけだった。ホラー仕立てに作り変えたのかと思ったら、ただ重いだけになって残念。
立川志らく 「妾馬」
師匠の妾馬はこんなもんじゃない。もっと八五郎は魅力的だったはず。
「瀧川鯉昇・柳家喬太郎二人会」 池袋芸術劇場
瀧川鯉斗 「動物園」
前に見た時より雑だった。やりきるのと雑にこなすのとは違うぞ。
瀧川鯉昇 「明烏」
あのフラでもって「若旦那、起きんなんし」と言われちゃうともう笑うしかない。若旦那もねじが飛びまくっているとしか思えない。
柳家喬太郎 「転宅」
相変わらずお菊のオーバー気味の演技が良い。あれは絶対小川真由美。
仲入り
瀧川鯉昇 「長屋の花見」
貧乏な長屋の連中が、大家に内緒で大家の猫を鍋にして食べちゃってたのにはもう笑うしかない。「え?!あの肉猫だったの?熊の肉って言ったじゃねーか!」「あの猫の名前が熊だから熊鍋」
お酒の代わりに、大根のこうこのかまぼこ、沢庵の卵焼き、番茶を薄めた酒と、しょうゆを薄めたウィスキーを持ってはなみにでかける。もちろんみんなやる気なし。「おい、かまぼこにウィスキーかけてくれ」(笑)
柳家喬太郎 「綿医者」
えんえん自分がかかった医者体験を話した後、落語は10分。私は初めて見たけれど、寄席では結構かけているらしい。確かに、寄席の軽いところで話すもので、これがトリとは本当に綿を食べさせられたみたいで心もとない。
喬太郎師のネタにはがっかりだったけれど、鯉昇師匠は相変わらずもうまくらから軽くて美味しいカール落語。
もっともらしい口調で「協会でがっしょう部に所属しております。でも歌を唄うわけじゃありません。(胸の前に手をあわせて)前座さん、お茶をいただけませんか?」合掌部かよ!部員は師匠一人だけだそうです。
がっぷりやるにはキャリアが離れているのか、意図がよく分からなかった。
「立川志らく独演会」 中央会館
立川志らく 「子別れ上中下」
談春師はこの話の上をこれでもかとたっぷり語りますが、志らく師匠にはどう考えても後半の振りとしか考えられなかったようで、(私も正直そう思う)ここら辺はテンポよくやっつけて、何日も家を空けて帰ってきてからが本番でした。酔った勢いでおかみさんと子供の亀ちゃんを追い出そうとするあたり亀ちゃんが「謝っちゃえよー。おいら達がいなくなったら、誰がお酒を買いに行くんだい?」と言う台詞が普段の生活を思わせてとても良い。後半も、志らく師匠が拵えたベストな作品名だけあって全てが申し分ない。しかしあの八百屋の登場が予定調和気味になっていたのが惜しい。出てきて欲しいんだけれど、お約束でいてほしくはない。
仲入り
立川志らく 「落語長屋」
映画「幕末太陽伝」にインスパイアされたものを拵えたというので、どういうんだろうと思っていたら、凄いことになってました。
「よかちょろ」の若旦那が「二階ぞめき」までしちゃうがこれで勘当になり、「湯屋番」「ざる屋」と奉公先を転々として「突き落とし」「時そば」「子別れに出てくる八百屋」を経て、とうとう「付き馬」までやっちゃう。
上手く馬から逃げたところで店の番頭と再会。父親の大旦那が死んだと知らされる。番頭と一緒に墓参りに出かけ、親父の墓の前で番頭から実は大旦那も若い頃は吉原に通い詰め勘当になった。しかし、金が無くなった途端花魁達に冷たくされやっと目が醒めてやり直したと言う話を聞かされる。だから若旦那もやり直してほしいと諭す番頭に「俺は親父とは違う」と、やり直す道は選ばず、親父の名前「佐平次」に改名し吉原に親父の復讐をするが如く居残りを稼業に生きていくのでありました。完!
これだけのボリュームなのに、よかちょろ、二階ぞめき、湯屋番、付き馬を最初からサゲまできっちり語りきり1時間で終わりました。しかも、どの落語もしっかり面白いのですから凄い。これこそが志らく師匠でございましょう。四つの話の特徴は、どれも主人公が一人で喋りまくるというという事で、ひたすら喋る喋る喋る。二階ぞめきでは、一人で牛太郎、花魁、自分を演じ分け喧嘩をしますが、この喧嘩シーンの狂いっぷりは家元を超えていて、誰もいない吉原で一人で喋り捲っている男を一番リアルに想像出来ました。瞬間風速的に志ん生、談志を超えたと申せましょう。
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