「ハゲタカ」を見た 金が無いのは首が無いのに劣るのか
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林海象監督がすきなので見に行ってしまいました。「小人閑居して不善をなす」です。
この映画は、「探偵事務所5」という有料配信動画シリーズの劇場版だそうで、監督のことが好きだといった割にはぜんぜん知りませんでした。ははは。監督は以前「アジアン・ビートシリーズ」や「私立探偵 濱マイクシリーズ」を作っていて、その映画等のレトロでいかがわしいアジアな世界観が大好きなんですねその上、監督は大の探偵好きで、そのルーツはおそらく私も大好きな「怪人二十面相シリーズ」に違いなく、今回の映画では、あの江戸川乱歩のいかがわしさと高揚感にさらにアジアのいかがわしさがプラスされ実に私好みの映画でした。
特に主人公役の尾上菊之助丈がまさに映画のイメージぴったり。色が白くて顔の作りは古風な女性的二枚目でたまらなく賢くて、性格は素直でおっとり上品だけれど、芯は強くて思わぬ行動力を見せるところなんぞ、まるで少年探偵団の小林少年のイメージそのまんまじゃないですか。小林少年が大人になって探偵になって、怪盗が跋扈してそうな怪しげな都会を駆け抜ける様を実写で見れて私は大満足でした。
私のように子供の頃は怪人二十面相が愛読書でしたという人にはお勧めの映画です。あと、日本映画ジャンルの中で、国籍も時代も不明瞭でなぜかみんな拳銃を持ってるアクション映画ジャンル「日本版フィルム・ノアール」が好きな人なら、宍戸錠の過去の主演アクション映画の数々をが頭をめぐって楽しめるでしょう。ようは、監督の趣味百パーセント映画です。だから、その趣味が合致してる人には楽しめるけど、知らない人には何のことやらなのです。いいんですそれで。
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先週の水曜日、レディースディなる、女性なら誰でもこの恩恵を受けることが出来るありがたい日だったので、志らく師匠お勧めの映画を見てきました。
いやー、本当に心に残る映画を見ました。
以下はネタばれを含みますので、内容をあまり知りたくない方にはお勧めしません。
若いときは朝鮮戦争に従軍し、帰還後はフォードの工場でずっと職人として働いて、今は年金で暮らすポーランド系アメリカ人が今回のクリント・イーストウッドの役どころであります。戦争にも行き、アメリカの基幹産業を長年支えてきたこの男は、まさに代表的なアメリカ人の一人でありましょう。そんな彼も今は老人。彼の人生とともにするように車産業も斜陽の一途をたどり、町は寂れともに働いた白人の隣人はみんな引っ越していき、空いた家には黒人やアジア系が住み着き昔の面影など微塵もない。しかし、彼だけは頑固にこの地に住み続け、玄関横のポーチに腰掛け町を苦々しく眺めている。ここはアメリカだ、どっかのアジアの町じゃないと言い張るがごとくアメリカの国旗をいつも掲げて。
そんな彼の唯一の趣味は、1972年、自分の手で作った「グラン・トリノ」を毎日きれいに磨き上げ眺めること。そう、アメリカの魂と賞されたこの車は彼の魂でもある。
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友人のご好意で、昨日は生まれて初めてラーメンズの公演に行きました。
6月まで全国を回るので、ここでネタの中身については書きません。ので全体的な感想だけをちょこっと。
DVDなどでは何度かコントは見てますが、生で見るとやっぱり心地よさが段違いですな。見てて思った事は、このコントは実に落語的であるということです。何が?
芝居は、出演者はその役になりきって一人一役ですが、ラーメンズのコントは小林賢太郎という優れた頭脳から吐き出された世界の中を、出演者としての小林賢太郎と片桐仁が動いているのです。眼の前で小林賢太郎はいるのですが、このセットの向こうには「演出家としての小林賢太郎」がもしかして存在して二人を見えない糸で操っているいるんじゃないか?という感覚がするのです。落語的であるというのはそういうことで、落語も一人で何役も演じているので一人芝居と勘違いされてしまいますが、どちらかというと落語の登場人物達を何人もいっぺんに操っている演出家としての役割の方が大事であり、座布団の上で喋っている自分を操る自分が高座の上にいるのです。落語の場合は沢山の人物を一人で喋って、映像は客の頭の中ありますが、ラーメンズの場合は、二人の人間が映像を見せていく違いはあれど、裏にある構造は両方とも同じなのではなかろうか?
落語の場合は、落語家の頭の中で化学変化が起こって登場人物が一人歩きしだすことが間々あるように、小林賢太郎の世界の中で、片桐仁が演出家の意図を超えて自由に動き出す時、どんどんコントの世界があらぬ方向へ広がっていって、いずれ思わぬところから元の場所に着地していく、このわくわく間がとても素敵でした。ジャズトリオの演奏で、最初は三人で同じ旋律を追っていたのに、フリーになると三人が好き勝手な演奏を始めてこのまま壊れちゃうんじゃないかと思わせておいて、いつの間にかすっと戻ってくるというのに似てます。一つ一つのコントの中にこの運動があり、又、一つの公演の中でも同じような運動が起こり、舞台が終演した時、一つの素晴らしい演奏が終わったような充足感を感じたのでした。この心地よさは、他のコントや漫才では得られない独特の感動でありましょう。
この感じは、落語家で言えば談笑さんでしょう。落語の登場人物を縦横無尽に動かして、どこへ行っちゃうかは本人も分からない。しかしサゲになる頃には一つの大きな物語がちゃんと終わっているというところは、ラーメンズに良く似ていると思ったのでした。
最後に小林賢太郎氏の言葉だけは書いて良いのでは。「コントさえ出来れば」
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昨日やっと歓喜の歌を見ました。
シネカノンでは水曜は男女構わず1000円デーなのにかかわらず、入りはいまひとつでしたが、お陰でベストな席で見ることが出来ました。
予想以上に良かった。無理に笑いを詰め込むわけでなく、泣かせようというあざとい演出をするでなく、原作のテイストを大事に作っていることがよく分かりました。出演者の演技もみな自然で、日々を一生懸命生きている市井の人々という雰囲気でとても好感が持てました。その中で、駄目公務員の典型を演じる小林薫の駄目演技が愚かしく可笑しい。やる気はないしイライラして北京飯店にあたったり本当にだめ親父。あんなに格好悪い小林薫を初めて見ました。そんなだめな人にもがんばれば歓喜の歌が降り注ぐのでし。いやー良かった。安田成美も評判どおりとっても可愛らしくて良い。良い女優さんになりましたね。もちろん家元は何をやっても家元で、会場の中で私と友人だけで大爆笑していました。
監督の演出が良かったからだと思いますが、歓喜の歌という落語を映画関係者が皆共感してくれていて、それがこの映画の良さに繋がったんじゃないかと感じながら見ていました。志の輔師匠も、こんな素敵な映画にしてくれてさぞうれしいことでしょう。
※映画の中にさりげなく志の輔師匠のほかの落語の匂いも入ってるのでそれは落語ファンにはおたのしみ。
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前回に引き続き、今度は友人二人と連れ立ってあの人に会いに行きました。
↑このお方です。
一目見た瞬間確信しました。このお方こそが仏であり、完璧な美、至高の悟りを具現化した存在です。展示室と言う同じ空間にいながら、かの方は我々衆生とは全く違う次元にいるようでした。手を伸ばせば触れるほどの近距離にありながら、かのお方ははるか須弥山の雲の上から我々衆生を眺めています。群がる人間のなんて小さく愚かしいことよ。私もその一員なんです。こんなに仏像と自分の間に距離を感じたことはないです。それほどかのお方は完璧に仏でした。
蓮華座から今にも降り立ちそうな足、しなやかで生々しい腰、今にも蜜の川が溢れ出しそうな掌、えもいわれぬ芳しい風にたなびく衣がますます躍動感を演出します。視線は遥か遠方を雲の間から見つめているようで、何を想っているのか深い笑みをたたえています。正面から見ると妖艶な女性、横から見ると理知的な男性に見える不思議な面差しは人知を超えた思考を表しているようです。本当にたった今この混沌とした現世に来迎してきたばかりのような初々しい瞬間を捕らえた仏像でした。本当に申し訳ありませんが、この仏様にお会いした後は、他の仏像はただの木の像に見えてしまいました。この仏様が人の手によって作り上げられたものだなんてなんだか信じられません。仏様が木質化してしばし人間界にとどまっているのではないでしょうか?運慶、快慶が掘り出した仏像も素晴らしいですが、この観音様に比べたらまだ人間レベルです。
仏様は私が死んだ後もずっとずっと滋賀のお寺から下界を眺め続けることでしょう。この仏様が過ごす長い長い時間に比べたら、私の一生なんて塵も同じ。そう思えるとなんだか不思議と心持が軽くなりました。
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金曜日の嵐の夕方、こんな日はあの人たちを独り占めできるんじゃないかと、国立博物館でやっている「仏像展」へ行って来ました。同じ事を考えた物好きが結構先に来ていて思ったより人がいましたが、物好きなだけあって皆さん詳しい人ばかり、さりげなく近づいて耳学問をさせていただきました。
今回は、一木造の木像だけを集めたマニアックな催しだったので、よく見る仏像辞典ではあまりクローズアップされてない隠れた個性的な仏様が多数出場なさっていました。
展示方法も、ただ時代別に並べるんではなく一人一人の個性を尊重するような配列をしていて、解説文も宗教的な説明を廃して、
ちなみに、私のふるさと横浜の弘明寺からも一体昔から贔屓にしている仏様が出場なさっており、いよいよ地元から甲子園出場!みたいな気分もあり、晴れ姿を見に行こうという心持であります。
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